孫 子

十、地 形

彼を知り己れを知れば、勝、すなわち(あや )うからず

 将が部下を赤ん坊と同じように接すれば、部下はいかに深い谷底であろうと共に行こうと思う。愛児と同じように接すれば、部下は生死を共にしようという気持ちになるのである。しかし、厚遇するだけで使えず、可愛がるだけで命令できず、軍規が乱れても治められなければ、親が子供を甘やかすのと同じで、戦いの役には立たない。
 部下の実力を知っていても、敵の実力が分らなければ、勝敗は五分五分である。敵の力を知っていても、部下の力を知らなければ、勝敗は五分五分である。敵の力を知り、部下の力を知っていても、地の利を知らなければ、勝敗は五分五分である。戦い方を知っている者は、敵、味方、地の利を知っているから、攻撃しても迷わず、窮地に陥ることがない。
 従って、敵を知り己を知り戦う者は、敗れることはない。天の時地の利を知る者は全戦全勝するのである。












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