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古えのいわゆる善く戦うものは勝ち易きに勝つ者なり 多くの人が解るような勝ち方は優れた勝ち方とはいえない。また、戦いに勝って世間に称賛を受けることも優れた勝ち方ではない。つまり、軽い筆を持ち上げても力持ちとはいわず、日月が見えるからといって目が良いとは言わないし、雷鳴が聞こえたからといって耳が良いとは言わないのだ。 真の戦上手とは、勝てる状況を作って勝つ。従って勝利しても、そこには智将や名将や勇敢な兵士は見当たらない。つまり、戦上手は、確実な方法で勝ち、その作戦がことごとく勝ちにつながるからである。既に敵は負けているのだから勝つのは当然のことだ。戦上手は自軍の勝利を確保して敵の弱点を見逃さない。このようにして、勝利する軍は勝てる条件を整えた上で戦い、敗北する軍は先に戦って勝とうとするのである。 |
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