孫 子

六、虚 実

兵の形は水に(かたど)

 戦いの形は水のようでなければならない。水が高い所から低い所に流れるように、戦いも充実した敵を避け、相手の虚を衝くのである。水が地形の変化によって流れを変えていくように、戦いも敵の変化に応じて勝利を制するものである。
 水に定まった形がないように、戦闘にも定まった形はない。敵に応じて作戦を変え勝利を収める、これを神業という。
 これは、天地、宇宙のようでもあるからだ。五行(木火土金水の五元素)は相互に影響し万物の変化を生み、四季はたえず循環して留まることはない。一日の長さはたえず変化し、月は満ち欠けを繰返し変化しているのだ。
 
 












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