孫 子

九、行 軍

地形の利・害

 給料や堤防に陣するときは、必ずその東西に置くことである。こうすれば兵を動かすのに有利であり、地形の助けを得ることができる。雨が降って水かさが増していれば、無理に渡らず勢いがおさまるのを待て。
 行く手に前後が険阻で中に水が流れている地、四方が切り立つ窪地、三方が険阻で狭い一本道、連絡の取れないうっそうとした地、低く落ち込んだ地、でこぼこの激しい地があれば、すぐに去って近づいてはならない。自軍は遠ざかって、敵には近づかせるようにせよ。自軍の近くに険阻な地形、溜池や穴、葦草の繁った地、林、草むらなどがあれば、必ず敵の伏兵がひそんでいると見て、調べておくことだ。
 












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