孫 子

九、行 軍

敵近くして静かなるはその(けん)(たの)めばなり

 敵が近くにいるのに静かなのは、険しい地形を活かし期するところがあるからである。近づこうとせず挑発してくるのは誘い出そうとしているからである。敵があえて平坦な地に陣を構えているのは、何か有利なことがあるからである。木々がゆれているのは敵襲の兆しである。草むらに仕掛けがあるのは、その先を疑わせて来させないようにするためである。鳥が不意に飛び立つのは、伏兵がいるからである。獣が驚いて走り出すのは、伏兵部隊がいるからである。土埃がまとまって高く上がるのは、戦車が来るからである。低く広く舞い上がるのは歩兵部隊が来るからである。バラバラに細く舞うのは、(まき)を集めているからである。あちこちに移動しながら舞い上がるのは、宿営の準備をしているからである。
 












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